ムットーニ
コレクション
自動からくり人形作家「ムットーニ」こと武藤政彦。人形と装置の多様な動きに合わせ、音楽、光、本人の語りなどが重なり合いながら、物語や世界観が表現されるその作品は、他に類のないアート作品として多くの人びとを魅了しています。
当館ではムットーニ作品7台を所蔵しており、開館以来特色あるコレクションのひとつとなってきました。2018年春、新たな3台が加わったのを機に、随時上演作品を入れ替えながら、その魅力をお伝えしてまいります。ムットーニ作品は小さな箱の中で人形が一回りする数分間の円環運動の中に、主人公たちのさまざまな「行きて帰りし物語」がとじ込められています。物語との新たな出逢いのかたちを、どうぞお楽しみください。
世田谷文学館
※現在上演している作品は、コレクション展ページでご確認いただけます。 コレクション展
制作年：1994年／原作：萩原朔太郎「猫町」
制作年：1995年／原作：海野十三「月世界探検記」
制作年：1995年／原作：中島敦「山月記」／朗読：笠原拓郎
制作年：2006年／連想作品：レイ・ブラッドベリ「万華鏡」
音楽：ピエトロ・マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
制作年：2006年／音楽：宮沢和史「書きかけの歌」
制作年：2007年／原作：夏目漱石『夢十夜』より「第七夜」
制作年：2007年／原作：村上春樹「眠り」
制作年：2015年／原作：中原中也「地極の天使」
制作年：2016年／原作：芥川龍之介「蜘蛛の糸」
制作年：2016年／原作：萩原朔太郎「題のない歌」
ムットーニ
1956年横浜生まれ。本名・武藤政彦。少年時代は人に話を聞かせることや、油粘土のジオラマを作ることが好きな「お話小僧」「粘土小僧」だった。中学、高校時代、ブラスバンドでトランペットを吹くかたわら油彩画を描き始める。1979年、創形美術学校研究科修了。1980年代半ば、ヨーロッパ外遊を境に徐々に油絵の平面作品から立体作品へと移行する。1987年、初めての電動式からくり人形作品《天国と地獄》を発表。1990年頃より、複雑な人形の動きとストー リー性が加わり、光、音、装置転換、本人の語りなどの要素が絡み合う現在の「ボックス・ シアター」スタイルを確立。前人未踏のからくり人形の世界を開拓し続けながら、日本各地で展覧会を開催している。